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在宅勤務導入率は実際の所どうなの?総務省発表を見てみましょう。

日本における在宅勤務の導入率は高いのでしょうか。そして効果は上がっているのでしょうか。

2015年末の調査では、企業での在宅勤務の導入率は16.2%でした。今後導入予定があると回答した企業は3.4%ありましたが、導入済企業と合わせても全体の約2割程度にとどまっています。

しかし、導入効果については、8割以上の企業が「効果があった」と回答しています。数多くの企業で在宅勤務導入により、業績向上等の効果があったものと考えられ、この事がもっと周知されることで、在宅勤務の普及につながるはずです。

在宅勤務の導入について日米で比較すると、この分野で日本は遅れをとっていることが分かります。例えば、在宅勤務について「実際に経験したことがあり、すべてをよく知っている」と回答した米国の就労者の割合が12.8%であるのに対し、日本の就労者では同様の質問に、わずか2.3%しか回答が得られませんでした。

また、米国では在宅勤務について「ほとんど聞いたことがない」と回答したのが25.5%にとどまっていたのに対し、日本では54.2%となり、二倍以上の差があります。

なお、日本の就労者向け調査では、在宅勤務について経験があったり、内容を詳しく知っている人は実施に前向きであり、約8割程度が「在宅勤務を実施したい」と回答しています。

逆に在宅勤務未経験者や内容について熟知していない人は、積極的な実施を拒む傾向にあり、在宅勤務について「ほとんど聞いたことがない」と回答した人のうち、「在宅勤務を実施したい」と答えたのは13.7%にとどまっています。

 

 

在宅勤務、モバイルワーク、サテライトオフィス勤務。それぞれの違いと導入率を調べました。

テレワークと称されるものは在宅勤務だけでなく、モバイルワークやサテライトオフィス勤務も含まれます。

モバイルワークとは、ノートパソコン等の情報機器と携帯通信端末を用いて、外出先での移動を伴う勤務をする形態です。サテライトオフィス勤務については、企業の本拠地から離れた場所に小規模な拠点を置き業務を行います。

モバイルワークのメリットは、場所を問わずに仕事ができるため、移動中の時間を有効活用できます。また、出社や帰社についても自由度が高いため、業務によっては直行・直帰ができ、無駄な移動時間を削減できます。

サテライトオフィス勤務では、自然環境に恵まれた地域に拠点を置くことで、都市部だけでは実現できないプロジェクトなども遂行できるメリットがあります。

総務省の「平成27年通信利用動向調査」によれば、モバイルワークの導入率が60.3%となっており最も高く、次いで在宅勤務が22.9%、サテライトオフィス勤務が15.8%となっています。

 

 

自然災害が起きても出社せず業務が遂行できる等、テレワーク導入のメリットは多いです。

在宅勤務をはじめとするテレワークは、毎年のように見舞われる台風や大雨等、自然災害が起きた場合でも、安全に勤務する場所が確保できれば、通常の業務が遂行できるというメリットがあります。

また、テレワークを導入することで企業の業績向上やコスト削減を推進できる可能性がありますし、政府が取り組んでいるワークライフバランスの向上にも寄与するはずです。

しかし、現時点では、日本での導入率は低くとどまっています。その理由の一つに、大企業では導入が進む傾向がある一方で、中小零細企業での導入が遅れていることが挙げられます。加えて、経営陣のIT知識が乏しい場合も、導入は進まないでしょう。

インターネット環境は既にほとんどの企業で整っているはずで、テレワークを導入する素地は十分にあります。今後は、大企業はもとより、中小零細企業の成功事例をもっと増やすことで、テレワークの普及は進むでしょう。

 

 

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