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テレワークの効果を確認する方法

売り上げや経常利益の数値で効果をチェック

テレワークの利用による最大のメリットは、生産性アップを図れる点です。

実際、パナソニック株式会社は2007年からテレワークの運用を本格的にスタートさせ、生産性の向上に成功しています。2016年には日本マイクロソフトが日本国内でのテレワークの定着を目指してチャレンジした結果、スタッフ1人当たりの売上高が26パーセントアップしました。

2017年、総務省がテレワークの現状をとりまとめた折には、テレワークを導入している企業の3年間の経常利益が未導入の企業よりも約1.6倍多い事実が確認されました。導入している企業の労働生産性が未導入の企業よりも高いことは明白です。

但し、テレワークの導入によって売り上げを飛躍的に伸ばすことは難しいです。しかし、利益率を改善できる可能性が高いため、テレワークを活用して事業の立て直しを検討している経営者は少なくありません。長期的な視点でテレワークを運用すれば、事業内容の拡充を望めます。

テレワークを運用する折には、自社の年間の売り上げや経常利益をグラフ化し、効果を測定しましょう。データ化することによって、自社のテレワーク制度の是正点を見出しやすくなります。

 

長時間勤務に要注意

テレワークの導入が経常利益アップに直結している訳ではありません。インターネット環境の充実化、先進的な考え方の定着も利益率向上に一因しています。「サービス残業が当たり前」という古い考え方が根付いている折には、企業の体質改善、社員の意識改革から始める必要があります。

テレワークを導入した場合、長時間勤務するスタッフが増大しやすいです。1日・1ヶ月当たりの勤務時間の長さは、必ずしも収益と比例していません。長時間に渡ってダラダラと作業するよりも、時間を限定したほうが作業効率や生産性の向上を図りやすいです。

テレワークを使用する際には、労働者の時間を適切に管理し、長時間勤務が発生しにくい体制を整えましょう。労働者個々の要望や生活スタイルに合わせてシステムにアクセスできる時間を設定しておけば、残業時間が長引く可能性を軽減できます。

残業時間数の多さは、テレワークの運用状況に関係しています。労務管理を徹底し、テレワークを適切に運用しましょう。残業時間の増大は企業の信用を失墜させるリスクもあるため要注意です。

 

テレワークの導入によって離職率の低下を図れる

離職率は、労働環境の良し悪しだけでなく、テレワークの効果を評価する際にも有用な指標です。

厚生労働省の調査・研究では、雇用型テレワークが離職者増大の防止に役立つことを確認しています。かつてサイボウズやVAIOは離職率が25パーセントを超過していましたが、テレワークの導入によって離職率が格段に低くなりました。

働き方改革に基づいてテレワークを導入した企業の大半は、スタッフ個々がライフスタイルに応じた働き方を選びやすい環境を構築しています。

子育てや介護など、社内での勤務が難しい事情を抱えている方も、在宅ワークによって企業の収益に貢献しています。特に、モバイル端末やインターネットを事業活動に利用している企業の場合には、テレワークの導入によって人材確保を図りやすいです。

離職率が低下すれば、人材確保に悩む必要がなくなります。有能な人材を発掘・育成する手間を省き、コストの軽減を望めます。

 

労働者の意識を調査してエンゲージメントの低下に注意

過剰労働は、労働者のモチベーションの低下に繋がりやすいです。その上、組織に対するエンゲージメントが急速に低下しかねません。

テレワークは、労働時間の管理だけでなく、組織と労働者の信頼関係の構築にも有用です。労働者が多様な働き方を選びやすくなるため、働く満足感や充実感の向上を望めます。

テレワークを運用する際には、労働者の意識を定期的に調査することが大切です。

調査でエンゲージメントの低下が発覚した場合には、運用システムの状況を再確認しましょう。早急に対処しなければ、生産性の低下を引き起こす可能性が高まるため要注意です。

 

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