いいことばかりではない?在宅勤務のデメリット

企業と社員が抱えるさまざまな問題
光あるところに影ありというように、メリットの裏にはデメリットがあります。
まず、オフィスにいないことで、適切な人事評価ができない、またはしてもらえないと心配する意見があります。
離れた場所にいるので、コミュニケーションが取りにくい、情報共有しにくいといったデメリットもあります。
一人で集中して仕事をしていると、気がついたら就業時間をオーバーしていたなんてことも。
こういった人事評価制度の見直しや、労務管理、残業代に関する取り決めなどが必要になってきます。また、情報漏えいのリスクもあります。
特に、自宅以外での仕事を許可する場合です。
社外秘の資料をカフェでのぞき見される危険や、パソコンの紛失、盗難、公共のWi-Fiスポットを利用した結果ウイルスに感染するなど、セキュリティー対策は必須です。
在宅勤務の導入のためには、こういった問題を一つずつ解決していかなければなりません。
デメリットに対してどう向き合う?
先に挙げたように、在宅勤務には様々な問題点があります。これらを解決していくには、何をすればよいのでしょうか?
まずは、人事評価制度と労務管理について。これらは、在宅勤務規定として新たな就業規則を作成する必要があります。
社員の働きすぎを防ぐため、始業、終業時刻を必ず知らせてもらうなど、在宅勤務に向けたルールを作りましょう。
スマートフォンからでも打刻ができる、勤怠管理ソフトを利用するのもよい方法です。
一方人事評価制度については、web会議やテレビ会議などを活用して、オフィスにいなくても連絡を取りやすい環境作りをしましょう。
気軽に連絡を取れれば、情報共有もしやすくなります。
また、在宅勤務でもきちんと仕事に取り組んでいるか確認するため、定期的に仕事の進捗状況を報告させましょう。
仕事の期日に間に合わないときは、オフィスにいる社員でフォローして残業の防止もできます。
さらにはずっと在宅ではなく、定期的に会社で面談を行うとよいでしょう。
画面越しに連絡を取り合うより、直接顔を合わせて話すことで見えるものもあります。
他にもセキュリティー面については、ウイルス対策ソフトを必ずインストールする、外での作業はのぞき見防止フィルターをつけるなどの対策が必要です。
外でのインターネット回線への接続は禁止して、オフライン作業のみに徹底するのも有効です。
トライアルで問題点を洗い出そう
在宅勤務を導入するには、本格導入の前に一部の部署でトライアルをしてみるのをおすすめします。そして、管理職が率先してトライアルに参加しましょう。
管理する側の視点から見た問題がわかってきます。他には、育児や介護などで在宅勤務を希望される方に参加してもらい、問題点を挙げてもらいます。
何度もトライアルを繰り返し、問題を一つずつ解決していきましょう。最初は月1日、慣れたら週に1回など、少しずつ期間を増やしていきます。
トライアルを繰り返すのには、問題点を洗い出す以外に、意識改革という側面もあります。
説明会やセミナーも大切ですが、一番大事なのは実際にやってみることです。体験してみて効率的に働けると理解できれば、在宅勤務も受け入れられやすくなるでしょう。
課題を一つずつクリアしよう
在宅勤務の導入には、様々な問題が立ちはだかります。それはここで挙げた以外にも、会社ごとに違った問題が出てくるでしょう。
そのためには、会社と社員、お互いにとってデメリットの少ない新しいルール作りが必要です。
在宅勤務のデメリットを、できない理由にするのではなく、導入するためのクリアすべき課題と捉えてください。
課題を一つ一つクリアしていけば、在宅勤務で働きたいと考える方も増えるでしょう。それは、会社の生産性アップや成長にもつながります。