在宅勤務における勤怠管理

在宅勤務における勤怠管理の問題点は?
通常の勤務形態と違うため、従業員の勤怠を把握しづらいのが在宅勤務の問題点です。
出社形態であれば直接目で見て勤怠実態を確認することができますが、在宅勤務であればそれは難しいのが現状です。
そこで、このような勤務形態の場合、特別な労働時間制度をすべきか検討することになります。
通常勤務のように在宅でも従業員の勤務時間を適切に管理できるのであれば、通常の労働時間制度を適用して構いません。
1日8時間、週40時間の通常の労働時間制や変形労働時間制、もしくはフレックスタイム制などがそうです。
また、専門性の高い仕事で仕事の進展を任せることができるような在宅勤務の場合は、裁量労働制を適用することもできます。
そして、労働時間の算定が困難な仕事でかつ、ある一定の条件を満たす場合には、事業場外みなし労働制を適用することも可能です。
事業場外みなし労働制は、労働時間の算出方法の特例で、在宅勤務の場合でも以下の3つの要件を満たすことで適用が認められています。
業務が私生活の場である自宅などで行われること、パソコンなどの情報通信機器が使用者の指示で常に通信可能な状態になっていること、業務が随時使用者の具体的な指示に基づいて行われていないことがその要件となります。
通常の労働時間制を適用した場合、始業時間と終業時間の確認が問題となります。
また、裁量労働制と事業場外みなし労働制の場合、業務時間内における従業員への指示ができないことがネックになります。
既に在宅勤務を導入している会社の事例は?
既に在宅勤務を導入している会社の場合、実際どのように運用しているのか事例を紹介します。
まず、1例目は10分単位での在宅勤務取得を可能にしている事例です。
勤務時間は事務所の所定の勤務時間に合わせるか、フレックスタイム制を採用するか選択することができます。
この場合、労働管理の方法として、在宅勤務の従業員は、上司に始業並びに終業のメールを送信することを義務付け、上司はそのメールに基づき、勤務時間が適正か否かを判断します。
2例目は、通常の労働時間制の中で在宅勤務を採用している会社です。
始業と終業時にテレビ電話ツールのチャット機能を利用して、会社に連絡をします。会社はその履歴を確認して勤怠管理をしています。
ICTツールにはどんなものがある?
勤怠管理を行うためのICTツールも様々なものがあります。
例えば、あるツールは、残業の注意や限度時間があらかじめ設定されています。
労働時間が設定時間を超えるとアラームによる警告を発し、従業員に知らせる仕組みになっています。
また、入社日や基準日を入力しておくことで出勤率を計算し、有給を自動的に与える機能も備えています。
そして、振替、代休、休日出勤、残業などもインターネットで申請が可能です。
利用できるメニューを制限することでデータの改ざんによる労働時間の不正を防止するシステムになっています。
更に、コミュニケーションツールも充実していて、上司が直接リアルタイムにアドバイスを送れる機能がついています。
別の勤怠管理ツールでは、導入された端末のツールに着席や離席というボタンが表示されています。
ボタンを押すと画面キャプチャが自動で保存され、システム管理者にその情報が送信される仕組みになっています。
業務時間が細切れでも全ての業務時間を自動で計算してくれるので、取りこぼすことなく勤怠管理が可能になります。
また、所定労働時間等の設定、調整または勤怠データのCSV出力、任意グループや閲覧権限の設定機能などがあります。
これらの勤怠管理ツールは、無料で試用できるものもあるので本格導入前に試用することで、会社に合ったものを選択することができます。