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テレワークを導入する際に気を付けたい雇用契約書の変更手続き

テレワークとはつまりは雇用形態の改革です

今やITの進歩によって技術的にはかなりの分野の仕事がオフィスの外でも可能になっています。

家庭と仕事の両立を目指す働き方改革の重要な切り札として、テレワークを導入する事は位置付ける事が出来ます。従って、仕事内容は変わらないもののテレワークとは雇用形態に変化をもたらすものと解釈してよいでしょう。

従業員にとってのテレワークの最大の利点は、自宅に居ながら仕事が出来るという点でしょう。まず通勤時間に充てている部分が削減できるわけですし、日中でも家事や育児などの家庭の仕事を行う事が可能になります。

似たような雇用形態にフレックスタイム制がありますが、時間を細分化して仕事と家事を交互にこなすことが出来るという点において、テレワークには大きな優位性があります。

一方企業におけるメリットはまず、ノウハウを持った社員の離職を防ぐ効果があげられるでしょう。人不足の現状においては、一定のスキルを持った社員を確保し続けることは極めて重要です。またテレワークを大規模に導入すれば通勤費や光熱費・オフィス賃料などを削減する事も出来ますので、コストカットの面でも有効な施策といえます。

うまく導入すれば労使双方にとってメリットが大きいテレワークですが、仕事の仕方が大きく変わるため、従来の雇用契約では対応出来ない部分が多々出てきます。

 

新しい雇用形態には新しい雇用契約が必要

テレワークを導入する従業員に対しては従来の雇用契約書では対応出来ない部分が出てきます。具体的には、労働時間の管理と賃金・経費、それにセキュリティーの問題です。

仕事と私生活が混在する環境で働くテレワークの場合には、明確に労働時間を決める事が難しくなります。例えば従来の雇用契約書では勤務時間を9時から17時で休憩が12時から13時と決めていても、その間に子供の送り迎えが入ったり授乳があったりすると、従来の契約での運用は極めて難しいといえます。

また、テレワークは通常オフィスで勤務する形態と違って時間を柔軟に使える反面、残業や深夜労働をどう考えるのかという面も検討課題ですし、通信費や交通費の扱いについてもどちらがどこまで負担するのか明確にしておかなければいけません。

そして企業にとっても大きなリスク要因となる情報漏えいを含むセキュリティー対策に関して、物理的に会社が管理出来ないために対応策を考えておかねばなりません。

どのような雇用契約書がテレワーク導入には必要なのか

このようにテレワークは新しい雇用形態であるのですから、これまでの雇用契約書のまま社員にテレワークに移行してもらうというのには無理があります。

やはりここは、問題が顕在化する前にテレワーク用の雇用契約書を作って社員と契約のし直しをする必要があります。

勤務時間に関しては一定の要件のもとではみなし労働時間制を採用出来ることが厚生労働省の行政通達によって認められていますので、導入を検討しましょう。また、テレワーク社員とオフィス勤務社員の賃金形態も分ける場合には、別途賃金規定を整備した上で適用する賃金体系を雇用契約書に明記します。

経費については、交通費や通信費・機器の電気代など仕事での利用が想定されるものについて洗い出しを行い、私用との混同を避けるようにしておきます。

セキュリティーに関しては、まずはPCや通信機器・プリンターなどの周辺機器の取り扱いについて定めます。次に紙媒体についての管理、廃棄の方法を明確にしておきます。これらも賃金同様、情報セキュリティー規定を設けて適用する規定を雇用契約書に明記するという方法でよいでしょう。

テレワーク導入にあたってはこれまでの雇用契約書からの変更点も多くありますが、一度形式が確定してしまえば後はそれを運用するだけですので、最初にしっかりとした雇用契約書を作っておきましょう。

 

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