在宅勤務の問題点と解決策について

仕事に集中できる環境を作る必要がある
在宅勤務を成功させるためのポイントとして、自宅で仕事ができる環境が整っているかどうかが挙げられています。住宅に個室がある場合にはそちらを利用して仕事に集中できるのですが、個室がない場合や小さな子供がいる場合には作業に集中できない可能性があります。
このため環境によっては仕事をするための部屋を借りたり家族の協力が必要不可欠ですし、何よりも作業をするためのパソコンやインターネット環境を自分たちで整えなければいけません。
このため環境が整っていない人たちにとっては費用の負担が大きいですし、会社側が初期費用などどこまで負担してくれるのかも問題だとされています。
正確な勤務時間が把握しにくい
一般的にオフィスで仕事をしている人の場合は規則で就業時間が決められていますし、勤怠管理やチェックを行っているのである程度正確な勤務時間を把握できます。
それに対して在宅勤務の場合は就業時間をあえて設定していない企業もあり、仕事をしている時間や休憩時間などを在宅勤務している人に任せているケースも多いです。
このような場合には会社側が勤怠管理をしているわけではないので正確な勤務時間を把握しにくく、申請された勤務時間に沿って給与を支給したり勤怠管理システムに登録しなければいけません。
このため労働の実態がわかりにくいところや在宅勤務者の信用問題であるところも、問題点のひとつだとされています。
業務に対する評価が難しい
また仕事や業務に対する評価が結果でしか評価できなくなる点も、在宅勤務の問題点の一つとして指摘されています。
オフィス内であれば勤務態度や仕事ぶりなども加味して評価をするのですが、在宅勤務者の評価は業務に対する結果でしか評価できません。
このため生産性の低い社員の場合は時給割れしてしまう恐れがありますし、結果でしか評価ができないとなると勤務態度に問題があった場合の対処が遅れてしまいます。
場合によっては会社の信用にかかわるため、業務のみで評価していいのかどうか議論されている部分もあるようです。
仕事とプライベートが分けにくくなる
そして働く側の問題点として挙げられているのが、仕事とプライベートの区別をつけにくくなるという点です。
仕事に集中できる環境が整えられたとしても、家に仕事場があることで就業時間外でも仕事ができるようになってしまうところから時間に関係なく仕事をするという人もいます。中には休日でも仕事をしてしまうようになり、どこまでが仕事の時間でどこまでがプライベートの時間なのか区別ができなくなって混同してしまう人も少なくありません。
このため自分たちで仕事とプライベートの時間を区別できるようにならないと、精神的にも負担が大きくなると考えられています。
問題点を課題としてどのように解決していくのか
在宅勤務の問題点としては会社側だけではなく実際に在宅勤務をする側にもあり、特に勤怠管理や評価制度に関する課題が指摘されています。
このような問題を解決するための方法としては企業側が在宅勤務制度に関する基準を設けられるかどうかがポイントとなっており、それを踏まえて在宅勤務をする人間が仕事に関する意識や考え方を明確にできるように支援する必要があると考えられています。
また日本では在宅勤務での仕事は「見えないもの」だと考えられやすいため、どこまでオープンにできるかどうかも課題のひとつです。例えば、多拠点で会議できるWeb会議ツールなど在宅で働く環境を可視化するツールも最近は充実していますので、ツールを積極的に使って在宅勤務を実現する方向で検討できる整備環境は整いつつあります。
今後は在宅勤務のスタイルが広がっていくとみられているため、企業側の在宅勤務に関する認識と制度の導入、そして在宅勤務する側の意識改革が重要なポイントとなっています。